
飲食店の宅配代行「Uber Eats(ウーバーイーツ)」の沖縄進出から、2日で1週間。ウーバーは「沖縄のデリバリー(配達)市場のニーズは今後伸びる」とみており、加盟店と配達エリアの拡大に意気込む。小売店とも連携し、ローソン全国1001店舗の弁当や日用品の配達を手掛けている。ローソン沖縄も2日、ウーバーとの提携検討を明らかにした。県内のデリバリー事業者は「沖縄に出前文化が定着すれば、市場そのものが拡大する」と歓迎。共存共栄しつつ、サービス向上で差別化を図る。(政経部・大城愛乃、仲田佳史)

ウーバーは那覇市内を中心に約70店舗が加盟。那覇市北部と浦添市南部が対象エリアだ。配達料金は1回の注文で税込み320円。
配達員の坂梨智郁(さかなしともふみ)さん(36)は、ホテル勤務だが、新型コロナウイルスの影響で収入が減少。「距離にもよるが、配達1件当たりの手取りは400~500円ほど。少しでも収入につなげたい」と期待する。
加盟するハンバーガーダイナー「FLIP-FLOP」(那覇市)には、多い時で1日に10件の注文がある。担当者は「予想以上の注文数だ。ウーバーは無料の広告媒体。店の認知度を上げて、直接の来店につなげたい」と話す。
一方、配達員が少ない時間帯は店への到着に40~50分かかることも。飲食店関係者は「配達員が到着する頃には料理がすっかり冷めてしまうこともある」と指摘する。
ローソンは昨年8月、国内のコンビニチェーンで初めてウーバーと提携。食品だけでなく日用品や雑誌など約300品目の配達を任せている。平均客単価は店舗販売よりも約580円高い1312円。広報担当者は「宅配料金の割高感を薄めるため、複数の商品を『ついで買い』してもらえている」と話す。ローソン沖縄の担当者は「配送料の負担や効果を見極めたい」と話した。

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